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流行は20年のサイクルで繰り返すというけれど、今は厚底ブームが来ている。確かに20年前、私も厚底サンダルや厚底ブーツを履いていた。今ではすっかりバランス感覚を失ってしまい、3㎝ヒールでもよくよろけてしまうので、今からまた厚底を履こうとは思わないけれど。

今は「レトロ風」というのも流行っているんだそうだ。アンティーク調の家具や照明なんかを飾るのがオシャレらしい。それから窓ガラスも昔っぽい、よく昭和から続く喫茶店なんかで見かけるような、すりガラス状の窓や模様の入ったすすけた感じの窓なんかが人気だそうで、新築の家に敢えてそういうレトロな窓を取り入れるんだそうだ。

そういう意味では、我が家はもしかしたら時代の最先端を行くのかもしれない。古いアパートなので窓ガラスもめちゃめちゃ古いからだ。レトロ好きな人が見たら価値はあると思う。それに壁だって今どき珍しい砂壁だし、玄関を入ってすぐに台所というレトロな間取りでもある。

ただやはり問題がある。「レトロ」と「レトロ風」では全く違うということだ。少なくとも「レトロ風」の窓なら隙間風なんて入ってこないだろうし、窓を閉めていれば雨が吹き込んでくる心配もないだろう。だけど「レトロ」な家ではそうはいかない。冬なんか隙間風だらけだし、雨だって雪だって暴風が吹けば家の中も外と同じ状態になってしまうのだ。味わいがある、の一言ではごまかせない不便さがある。

それでもレトロに憧れる人がいるなら、是非ウチに招待したいものである。